The Grasshopper meets the Hare

世界で一番自由奔放なキリギリスと、世界で一番のオッチョコチョイのウサギが語る、ニュースを明るくするブログです

日本農業に必要なのは『有事自給率』の考え方だ (3/3)

昨日の記事で日本の『有事自給率』について考え方と、概算で計算すると有事自給率は90%になることを示しました。

今日はこの有事自給率をどのようにすれば向上させることが出来るかについて書いてみたいと思います。

有事自給率の向上には、以下の3つが必要です。

  1. 田畑の維持と、耕作放棄地の回復

  2. 増収できる遺伝子組み換え作物の開発

  3. 農業の脱「原油」化

1.は明らかです。有事に農作物を作ろうにも、土地の状態が栽培に耐えられないまでに悪化していたら、どうしようもありません。特に耕作放棄地などは、ある程度使っておかないと、いざという時に役に立たなくなると考えられます。

ということで、有事には高カロリー作物に転換を義務付ける代わりに、平時には一定の補助金(維持費)を出すというのも一案です。出来るだけ換金性の高い作物を作ってもらい、補助金は少なくしたいところですが。 あと、補助金を出すのなら、有事には農作物の供給義務を負わせるべきです。戦後の食糧不足期に、農民は食料を出し渋り、買い出しに来た人たちに「物々交換」で食料を売っていました。彼らの行為を悪いとまでは言いませんが、補助金出した上に同じようなことをされてはたまったものじゃないので、一定のタガをはめておくべきです。

2.は緊急課題です。 上にも書きましたが、戦後の日本のカロリー不足は深刻でした。国民が飢えると、政治が安定せず、悪い方向へ流れかねません。 『遺伝子組み換え作物』は今は何かと嫌われていますが、有事になればそんなこと構っていられません。あるだけマシとみんな喜んで食べます。間違いないです。よって、政府がやるべきは、とてつもなく収穫できる遺伝子組み換え作物を開発することです。今、平時にそんな物作っても売れないでしょうから、民間企業に期待するのは酷ですので、補正予算に5.5兆円も使う余裕があるのなら、遺伝子組み換え作物に投資するのが良いでしょう。

3.も大事です。今の農業は田植機からトラクター、輸送トラックだの、みんなガソリンで動いています。これだと、有事で原油が入ってこなくなったら、農業が全滅することになります(せいぜい、江戸時代のように人力・家畜力でやるしかありませんが、大きく作業量が減ります)。よって、農業に関してだけは、脱「原油」しておき、電気で農作業が可能な状態にしておくべきです。電気なら、重要なベースロード電源がありますので、なんとかなります。これは結構早めに対応が必要です。

とか、3日間にわたり、色々書いて来ましたが、最期に結論を書いておこうと思います。

結論

有事になったとしても、食料は外国から何かしらの形で入ってくるだろう。したがって、カロリーベースの自給率が低いことをネタに農林水産省が危機感をあおり、農水省予算を増やそうというような動きは封じるべきである。 日本にとって重要なのは「有事自給率」であり、概算で算出したら約90%程度の高水準である。この数値を改善させるのが政府の役割。そのために、上記3つの施策は、ゆっくりでもいいので実施していくべきであろう。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

ではまた、ぐ~ぴょん