The Grasshopper meets the Hare

世界で一番自由奔放なキリギリスと、世界で一番のオッチョコチョイのウサギが語る、ニュースを明るくするブログです

昆明で混迷を深め始めた中国~

ウクライナ騒動でずっと書かずにいた昆明の件です。

昆明無差別殺傷

記事曰く、

雲南省昆明駅で刃物を持った集団が通行人らを無差別に襲撃した事件について、新疆ウイグル自治区の過激派組織による犯行だと断定した。同事件では29人が死亡、130人以上が負傷した。

男女8人が刃物を持って切りつけたようです。29人死亡とはかなりの話です。

少し本題から外れますが、幕末の話を読んでいたりすると、刀というものは、はじめは切れるのだが、血糊が付いてくると途端にキレなくなると。更に刃こぼれも起こしてくるため、途中から使い物にならなくなる代物です(なので、時代劇では、ヒーロー側はあまりたくさんは切らないようにしていますね。その意味で、たった8人で29人を死亡させ、130人に負傷させるというのは、相当筋金入りの信念を持っていたものと考えられます。

その犯人が、新疆ウイグル自治区の過激派組織だと中国政府は断定しています。犯行声明も出ていないのに結構早く断定していますが、それなりの情報網を持っているのか、もしくは、ウイグル人のせいにしているだけ、の2パターンが考えられます(が、この情報統制下ではどっちか判断するのは不可能というものでしょう(笑))。

ウイグル自治区とは、中国の最も西の地域です。この地域で特筆すべき事項としては次の3つが挙げられます。

  1. 漢や唐の時代を除けば基本中国の支配には属していません。清国が征服し、第2次大戦中など一時的に独立したこともありましたが、最終的には中国共産党に征服されました。このように、ウイグル地域は中国の支配をうけた期間が短く、反中国の意識も強いものと思われます。

  2. この地域はウイグル人がメインだったのですが、共産党がどんどん漢人を送り込んでおり、ウイグル人の優位性も風前の灯になっています。

  3. ウイグル地域では、漢人(北京政府)は結構いろんなことをやらかしています。特に大きいのが、ロプノールの核実験です。あまりに実験しすぎて、一部の地域での放射能汚染がひどい状態になっていて、農作物などの被害が出ている模様です。(放射能汚染は福島より大きいわけですが、その汚染の激しいウィグルの農作物はOKでも、福島の農作物の輸入を止めている中国って、典型的な二枚舌ですね)

このままでは漢人に土地を奪われると感じたウイグル人の一部は、独立しようと過激派を組織するに至っています。その中の一部が天安門でのテロや今回の事件などを引き起こしたものと(少なくとも中国政府は)考えています。

相変わらず、中国の報道統制はきつくて、新たな情報も入ってこず、本当にこのテロがウイグル人のものなのかどうか不明です。日本のニュースからどんどん消えつつあるこの事件ですが、ウイグル問題が解決するまで定期的にテロ行為が続くものと思います。

今回の記事書いていると、他の中国内の民族運動についてもまとめてみる気になってきました。内モンゴルチベット、そして今回のウイグルです(台湾も??)。もうしばらくしたら書いてみますね。

ではまた、ぐ~ぴょん