The Grasshopper meets the Hare

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森会長って素直だね~♪ & それを吹き飛ばす、浅田選手の凄さ

東京五輪パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相がソチオリンピックフィギュアスケートについて言いたい放題との報道があります。

負けると分かっていた 大事な時には必ず転ぶ

森会長(元首相)曰く、

「浅田さんが(団体戦に)出れば、3回転半をできる女性はいないから、成功すれば3位になれるかもとの淡い気持ちで出した。それで、見事にひっくり返ってしまった」

「その傷が残っていたとすれば、ものすごくかわいそうな話。負けると分かっている団体戦に、浅田さんを出して恥をかかせることはなかった」

「転んだ心の傷が残っているから、自分の本番の時には、何としても転んではいけないとの気持ちが強く出たのだと思いますね。勢いが強すぎて転んでしまいました」

「頑張ってくれと見ていましたけど(浅田)真央ちゃん、(SPで)見事にひっくり返りました。あの子、大事なときには必ず転ぶんですね」

この辺りの発言を見た人たちが森会長に不快感を持って炎上しているようです。

今日のニュースを見ていても分かりますが、みんな腫れ物に触るような感じでフィギュアスケートの結果を報道していました。非常に淡々と報道されていたように思います。何か奥歯に物が挟まったような物言いです。これは、フィギュアスケートが国民的人気(基本今だけ)を集めているため、下手な報道すると炎上してしまうからだと考えられます。

このようにメディアで言えなかったことを森会長は言ってくれたのでしょう。非常に素直です。

「頑張ってくれと見ていましたけど(浅田)真央ちゃん、(SPで)見事にひっくり返りました。あの子、大事なときには必ず転ぶんですね」

これって、誰もが薄々思っていたことではないでしょうか。トリプルアクセルを飛べる女子は彼女しかいないものの、成功確率は低く、練習ですら100%の成功率でないのに、本番など成功確率はかなり低くなります。なので、試合を見ていても、トリプルアクセルがたまたま決まった時には勝利し、決まらなかった時には負ける、ということを繰り返しています。なんせ、海外の強豪選手がいない国内の全日本選手権も3位です。 このトリプルアクセルに賭ける演技は、試験の前にヤマをかけるようなもので、当たれば大きな成果が得られるが、外れると致命的なマイナスになるというリスクを負ったものです。既に銀メダルを獲得している彼女にとって、今回は銀以下のメダルを取っても何の意味もなく、目指すは金メダルのみという状態です。よって、一か八かの賭けに出るのは正しい判断だったでしょう。 しかし、団体戦でもトリプルアクセルは失敗し、直前の練習でもトリプルアクセルの成功率はかなり低かったのです。結果は裏目に出て、本番のSPは大幅なマイナスになってしまいました。

森会長の「大事な時には必ず転ぶんですね」は正確にいうと、「トリプルアクセルの成功率が低くて、特に大事な試合では成功率がさらに下がる」という意味ですね。

で、その原因を作ったのが、

「浅田さんが(団体戦に)出れば、3回転半をできる女性はいないから、成功すれば3位になれるかもとの淡い気持ちで出した。それで、見事にひっくり返ってしまった」

「その傷が残っていたとすれば、ものすごくかわいそうな話。負けると分かっている団体戦に、浅田さんを出して恥をかかせることはなかった」

「転んだ心の傷が残っているから、自分の本番の時には、何としても転んではいけないとの気持ちが強く出たのだと思いますね。勢いが強すぎて転んでしまいました」

今回の大会から始まったフィギュアスケートの団体、正直言って、これはフィギュアスケートの全種目に「程々には」強い選手がいないと勝てません。日本はシングルの男子・女子は強力ですが、そのほかはイマイチ(世界のレベルに比してという意味で)です。なので、団体でメダルを取れるような状況ではないのです。なのに、シングルについては男子・女子共にエースを出すという無駄なことをしてしまいました。結果、浅田選手はトリプルアクセルに失敗して、本番のシングルのSPもボロボロになってしまいました。森会長はこの点につき申し訳ないという気持ちを語ったのでしょう。

ある意味、ここまで正直に自分の気持ちを語れる人というのもスゴイです。メディアで叩かれるとか、そこまで考えて発言したとは思いませんが、自分の気持ちを素直に語ったのでしょう。それは日本の人々も薄々感じていたことで、そう感じていた自分を責めるのが辛くて、矛先を森会長に向けたのだと思います。それによって各人はカタルシスを感じ、救われたのです。

さて、そんな騒動もよそに、今浅田選手はフリーの演技を終えました。自己ベストを6点更新する最高の演技でした。演技が終わった時の泣き顔は美しく、心を打ちます。前日の失敗で吹っ切れたと思わせる、鬼気迫る演技でした。メダルを取る取らないよりもっとインパクトを持って我々に訴えてきます。平凡な演技で金メダルを取るよりもずっと印象に残る終わり方だったと思います。

浅田選手、お疲れ様でした~

ではまた、ぐ~ぴょん。