The Grasshopper meets the Hare

世界で一番自由奔放なキリギリスと、世界で一番のオッチョコチョイのウサギが語る、ニュースを明るくするブログです

ソニーの終焉・・・

ソニーが立て続けにプレスリリースを出しています。

  1. 連結業績
  2. TV事業
  3. PC事業売却

つい最近ソニーについては書いてしまったので繰り返すのは気が進まないのですが、思い入れのあるVAIOブランドに絡むものなので書いてしまいます。

まず、業績ですが、従来予想300億円の黒字からいきなり1100億円の赤字です。構造改革費用で200億円積み増しているようなので、それを除いても900億円の赤字。その中でも赤字の大きいエレクトロニクス事業。TVは10年連続の赤字とのこと。

で、それを受けてTV事業を7月をめどに分社化するとのことです。 そもそも、ソニーは液晶パネルに関する技術をサムスン電子に一切合財持って行かれてしまっています。一番大事なところを失っているTV事業になぜそんなに固執していたのか聞いてみたいところです。今回分社化するということは、そのうちにTV事業も売り払ってしまうつもりなのかも知れません。

さらに、売れなくなって久しいVAIOブランドのPC事業は日本産業パートナーズなるファンドに売却してしまいます。 思えば、私が初めて買ったノートPCは、VAIOのPCG-505でした。美しいマグネシウムボディに(当時としては)画期的な薄さ。それだけで魅了されましたね。ノートPCは各社出していて、ソニーは出遅れ感満載ではあったのですが、それを吹き飛ばすぐらい突出していた感がありました。

とはいえ、時が経つにつれ、ソニーのPCも他社と同じようなモノになり、そのくせ他社のより高いという、一番危険なタイプのビジネスになっていきました。

そんな中、APPLEのMacAIRやMacBookといったものがこなれてきたため、ソニーが占めていた地位は、完全にAPPLEに持って行かれました。残るは、WINDOWS PC市場という、「レッドオーシャンの典型」的市場での戦いです。その市場で、『ソニータイマー』などと揶揄されるような品質、かつ高価なPCは確実にシュリンクしていきました。

今回日本産業パートナーズは、このVAIO事業をどうしようとしているのか全く見えません。ファンドたるもの、いつかはExitしないといけない訳で、このVAIO事業で株式公開するか、他社に売却する必要があります。株式公開までは道が遠そうなので、他社売却になります。ブランド価値を認めて、中国や台湾の会社が買ってくれるかどうか。既にレノボからは見切られたと考えられますし。。。

ただ、今回の発表で、一番驚いたのは、このPC事業を売却して、スマホタブレットに注力するという話です。選択と集中のことを言っているのでしょうけど、「ソニースマホタブレット」って集中してどうにかなると思っておられるのでしょうか??スマホタブレット市場も真っ赤な海に思えるのですが、そこに資源を投入してどうしようとしているんでしょうね。超低コストでも目指すんでしょうか??どう見ても、ソニーのブランドを使うことでメリットがある市場でもないと思います。むしろPC事業の二の舞になるようにしか見えませんが、、、

結局のところ、これだけ戦略で混乱しているからこそ、ムーディーズソニーを「投機的」レベルまで評価を引き下げたのでしょう。 今ソニーの稼ぎ頭は、ゲーム、映画・音楽、金融、といったところで、もはや製造分野はそこにはありません。なのに、製造分野(それも苦手な分野)にばかり注力している愚かさ。そこに気付かないと、ソニーという会社が亡くなってしまってもおかしくありません。

とはいえ、内部留保も潤沢な会社なので、復活するのは可能だと信じています。そのために必要なのは、まともな経営者、なのでしょうか。

ではまた、ぐ~ぴょん